ESDの考え方と捉え方について(SDGsとESDとの関連)

ESDの考え方と捉え方について

ESDとは何か

ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題があります。ESDとは、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。つまり、ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育です。ESDの実施には、特に次の二つの観点が必要です。


○  人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むこと
○  他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」、「つながり」を尊重できる個人を育むこと

そのため、環境、平和や人権等のESDの対象となる様々な課題への取組をベースにしつつ、環境、経済、社会、文化の各側面から学際的かつ総合的に取り組むことが重要です。

                                (出典:文部科学省)

 

ESDとSDGsとの関連

SDGsは持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。

 

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 つまり、SDGsはゴールであり、目指すための目標としているのである。一方で、ESDはSDGsそのものを達成するための手段としてあるものである。ESDとSDGsは似ているが最終的なゴールが全く異なるのである。

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表の関連性を見ると明らかなようにESD考えそのものが教育となっている。つまりターゲット4が全ての始まりを意味している捉えることができます。他の16のターゲットの基本は全て教育に影響されているのです。ESDが目指しているのは、教育的手法そのものであり、ゴールを目指してやっているわけではないという事を付け加えたいと思います。

 

ESDの未来と学習指導要領

SDGsの考え方は今回の学習指導要領改定で記載されるようになりました。では、ESDはというとそれ以前から学習指導要領で明示されています。また、文部科学省を含めESDに取り組んでいる人達は、ESDそのものの考え方を取り入れることによってカリキュラムマネージメント全体を大きく変革して行く事を予期しています。「持続可能な社会の創り手」を育てるという理念を明確に示し,「カリキュラムマネジメントを工夫せよ」「それらが主体的・対話的で深い学びになるような授業改善を進めよ」という2つの視点を示しています。最終的にESDの先にSDGsのゴールがあることも俯瞰しておく。

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カリキュラム作成において、大切なことは今あるものをどう利用するかです。新しくカリキュラムややる内容を考えるのではく、今やっていることにどのように意味づけをしていくかが大切です。上記にある実践計画表は手島利夫氏のホームページから引用して来たものである。今やっている内容をそれぞればらして、番号に当てはめていくこと。これが出来ると楽になります。ESD=4教育なので変わり無いことがわかります。こうして、表に当てはめてみるとESDとSDGsの連携した授業も怖くなくなります。

 

ESDの最終的な目標

最終的な目標は教育です。教育のあり方、考え方をどうするのかを問い詰めることがESDの基本的な姿勢になります。SDGsは全て教育から始まると述べましたが、どうでしょうか?SDGsとESDとの関連性が見えたでしょうか。少しでも見えたのなら嬉しいです。学習指導要領とESDの関連記述については以下の外部サイトよりアクセスして下さい。

www.mext.go.jp

今回はESDに焦点を当てて説明をしてみました。少しわかりにくい部分もあるかもしれませんが、ESD=教育と覚えて、SDGs=ゴールと考えてみて下さい。

 

今回もご覧いただきありがとうございました。